古新聞

 
石井俊雄
今日、冬物を整理していたら古い新聞がでてきた。 朝日新聞の夕刊と朝刊の一部だ。 日付は昭和37年3月28日(水)。 西暦で言えば1962年だから今から51年前の新聞ということになる。 発行所は「朝日新聞西部本社」とあるから、どうやら佐賀でゲットしたものらしい。 碁笥を包んだダンボールの中に緩衝材として納まっていた。
懐かしく思いパラパラとめくってみた。 過ぎ去った半世紀前の名前や映像が懐かしい。 それで、面白いと思った箇所を箇条書きしてみた。
 
  1. 夕刊の一面では、「外相級の軍縮委終わる」として「米国のラスク長官、ヒューム英外相、グロムイコソ連外相・・・」などとあった。懐かしい名前だ。
  2. 同じく、一面に「九州では二十三山 一番方から24時間スト」とある。このころは炭坑が生きていたのだ。
  3. 同じく、「オランダ、兵力を増強 西イリアン問題 駆逐艦など派遣」とある。
  4. 5面では、「佐田の山 大関に昇進」とある。
  5. おなじく5面の下段にコマーシャル。「小倉−大阪線を毎日2便 フレンドシップ就航」とある。全日本空輸のコマーシャルだ。 飛行機の写真が添えられているが双発のプロペラ機で一目20人乗りくらいの機体。今では離島を結ぶ空路で使われてるくらいの小さな飛行機だ。
  6. 朝刊の5面は株式欄。東証一部上場企業数は凡そ900社ほど。二部上場企業数は400社ほどだ。 現在は、前者がおよそ1500社、後者も400社ほどだから、51年前とは思ったほどの違いはない。意外だ。
  7. その下段には松下電器のコマーシャルが。「トランジスタラジオ ナショナル」とある。
  8. 6面には、トヨタ自動車の大きなコマーシャル。「トヨペットコロナ1500」とあり、写真も載っている。 この車、今みても格好いい。スリムだから。
  9. 9面にはテレビの番組表。 NHKでは、8:40分から連続小説「娘と私」、10:00から「おかあさんといっしょ、旗照夫」とある。この番組、今でもあるので驚きだ。
  10. 民放では、「ライフルマン チャック・コナーズ」、「ミステリーゾーン 縄」、「ローハイド エリック・フレミング、クリント・イーストウッド」 などとある。懐かしい。
  11. 更にその下段には「リキホルモ」という強精保健剤のコマーシャルに「力道山」の顔写真が載っている。まだ元気だったのだ。
 
以上、ざーっと見てみたがどうでしたか?
新聞記事は世の中を反映したものなので、昔を偲ぶには好適だ。 だが、昔の新聞は文字が小さい。今の新聞と較べてみたが、縦方向に見て昔の新聞の文字3文字分で、今の新聞の2文字分というところ。 そういえば昔ほど老眼鏡を翳して新聞を見る光景に接することは無くなったように思う。 シニアにとっては助かる話だ。
だから、何か面白い記事でも見つけたら、一文を草しHPに寄せて下されば有難い。
昭和37年といえば、橋幸夫、吉永小百合の「いつでも夢を」が有名。 思えば、夢多かりき青春時代のど真ん中だった。
でも、今回は「沓掛時次郎」を聴いてみよう。 「いつでも夢を」より1年前の昭和36年に発売されたレコードだ。 初めて聴く曲だが、素晴らしい。特にいいのは、「これが俺らの精一杯」というフレーズ。 今では私の常用句なのだ。
橋幸夫、上手いね!力まず小節も押さえ気味なのがいい。淡々と歌っていて素晴らしい。新発見だ!
 
でも、橋幸夫にしては声が違うのだよね。はじめは最近聴かないから気のせいだと思ったが、何遍聴いても違うので、やはり別人だと断じることにした。 でも、上手いよね。音も合ってるし、裏声の使い方も上手いし。無名かも知れないが素晴らしい歌唱力だと思う。 12万近い閲覧者数がそれをしめしている。 思えば、世の中いろいろだね。有名でも下手な歌手もいれば、無名でも上手いのもいる。 これが世間というものさ、などと諦念的なことを云うつもりはないが、評価だけはして上げたい気がする。
だけど、やはり橋幸夫の声聴きたいから、これを聴いて替わりにしよう
 
古新聞もいいが音楽もいい、昔のひと時に立ち返れるから。
たとえば、雨の中を二人で歩いたことがあるような気分になることができる。 そんな経験はない私でもだ。君たちは尚更だろう。
 
 
 
 
 
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